Report:いのちにやさしいエネルギーが日本を救う!Part1

ワールドフォーラム日本復興講演会第3回

2012年3月16日

記:2012.3.27 海江田育子

【第一部・講演】田中優氏/未来バンク理事長
脱・原発時代の「エネルギー自立をめざす市民の独立宣言を」
〜〜原発マフィアの資金源に「お金」をまわさず、市民が自立する方法〜〜

■昨年5月2日・田中優氏の講演を振り返る

筆者が田中優氏の講演を初めて聴講したのは
日本中が、まだ混乱と動揺の最中にあった昨年5月であった。
(2011年5月2日「こどもたちの未来に向けて」

主催:世田谷・こどもいのちのネットワーク)

 

あれから日本は、人類は、少しでも良い方向へ進んでいるのだろうか。

今改めて、昨年の講演を振り返ることにする。

 

筆者はそれまで、原発と電気の関係性、天然住宅の真値など

知ることもなく、知ろうとも思ってはいなかった。
電気のある生活はあまりにも当たり前で、意識する必要性も感じていなかった。

しかし震災をきっかけとした数々の出来事、そして田中氏の講演で

「明るくクリーンなデンキのある暮らし」の片側に、

日常とは遠くかけ離れたパラレルワールドが存在することを知る。

当日は、子供を心配する若い女性の聴講者が多く、

涙をこらえながら、懸命に質問していた母親の姿が印象的だった。

■隠されるということ〜光を遮断された世界〜

情報を「後から出す」ということについて以前

「大体まとめ新聞」でも疑問を提起したのだが、

政府や東電、マスメディアは、都合の悪いことは非常にわかりにくい形で公開する「クセ」があるようだ。

「情報は出している」と開き直ることができるので、逆にたちが悪い。

 

声を上げるタイミングや手段を逸させ「無関心化」し

社会的自然選択説により「合意形成」してしまう方式として採用しているのだろう。

大体まとめ新聞2号 2011 年6 月30日発行
大体まとめ新聞2号 2011 年6 月30日発行

事実確認はできないが、ネット上では赤宇木集会所に関して、不穏な噂が流れている。

 

 

さてここで以下、政府が出したリリース(2011年3月11の22時35分・田中氏提供の資料)をご覧いただきたい。

実に読みにくい状態のPDF文書が、密かに「発表」されていたのである。


田中氏は『そこには「その日の夜に放射能が出る」と書いてあるのだが
携帯電話で読むこともできず、メディアが報道したのは3週間後のこと。
結果的に、多くの人を被爆させることになった。 』と憤った。

田中氏の資料より
田中氏の資料より

■それぞれの人が、得意なことを少しづつ

●田中氏のメッセージ〜私たちにできること〜

 

「原発も地球温暖化もなく、石油を奪い合う戦争もない時代に暮らしている
子どもや孫にこう言われたい。
『2011年3月11日をターニングポイントにして、社会は変わったね』と。
それができるのは、今生きている私たちだけ。
次の代に選択肢はないし、どうすることも出来ない。
それぞれの人が得意なことを少しづつやるだけで、社会は切り替えていける。
語学、マンガ、インターネット、写真、文章、音楽、何でも良い。
ちょっとずつ出し合うと、社会は切り替えることが出来る。
それが、未来のこどもたちに向けて、私たちにできること。 」

 

こうして今、レポートを書いている不肖筆者も、
田中氏に感銘を受けた一人であるに違いない。


 

★2011年5月2日の詳細は、別稿に記録しているので、ご希望の方にはPDFをお送りする。

mezaradi@gmail.com

■そして1年後〜変わらない電気の仕組み

現行の電気料金システムでは、家庭では使うほど高くなるが

事業者の場合、製品1つ当たりの電気コストを下げるにば使えば使うほど安くなる仕組みである。

そもそも日本人は、超・省エネ民族であり、世界の模範とも言えるので

我々のライフスタイルに問題はなく、間違っているのは政策なのである。


●原発を止めるための解決策

事業者にとって節電すれば得になる仕組み」を

例えば、白熱球を省エネ製品の蛍光灯、LEDに替えれば省エネはできるが
コスト髙で、入れ替える方が損となってしまう。
節電で得をするシステムがあれば、事業者は、たちどころに省エネ製品に買い替えるだろう。

●節電する方が得になる方法

「ピーク時の事業者の電気料金を高くすること
電気は溜めることが出来ないので、消費量が大きいところ、つまりピークに合わせて発電所を作らなければならないことが欠点だ。

しかし調べてみると、ピークは夏場、平日、日中、午後1〜3時、気温32.3度を超えたときだけ

ピークの差をなだらかし、この時の事業者の電気料金を高くすれば、
電気消費量は25%下がり、原子力発電所は不要になるのだ。

 

ちなみに2010年と比較し、2011年のピークは
省エネ製品に入れ替えず、白熱球を使ったままでも22.5%節電できていたという。更に設備を省エネ製品に替えた場合、半分まで減らせるだろうと田中氏は見積もっている。
 

■「原子力村」を「原発マフィア」と呼ぼう!

●電力会社の大スポンサーはマスメディア

両者が互いに儲かる構図のお陰で、原発は止まらないのである。

日本を統治するのは、政治家ではなく電力会社なのだろう。

●電力会社の大株主は金融機関『生保・銀行

電力会社は、長期プライムレートで金利を払ってくれる「お客様」。

原資は国民から取れるので、痛くもかゆくもない金利である。
コストに3%の利益を上乗せする「適正報酬」の仕組み(架空のニーズと無駄な施設を作る原因に)で、金融機関に払った金利と連動して上がり、

高い金利を払うほど利益率は上がる。


●ゼネコンにぶら下がる政治家
政治家は「原発に反対しない」という政策協定を結びゼネコン、労働組合の票を集めている。

●東電の株主は生保や銀行、信託銀行
東電の大株主は、生命を「危うくする」生保や銀行、信託銀行(株主:りそな、住友信託、三井住友、三菱UFJ、日本生命)である。

●原発マフィアの金融機関には1000円だけ残して預け替えよう

●低い金利に翻弄されず、将来の「支出を下げて得をする長期投資」へ
例えば、雨水利用で水道料金を削減する、
太陽光発電で電気料金を削減する、
良い住宅で家賃を削減する、など

近視眼的にならず、未来に向けて経費削減となるようなライフスタイルへ切り替えれば、将来の暮らしにも見通しが立ち、電力会社の統治からも独立できるだろう。

 

現実の世界では、私たちが預けたおカネを運営することで廻っているので

「どこに預けたか」は非常に肝心である。

理想を口で言うだけ、祈るだけでは実現しないので
原子力関連の金融機関には1000円だけ残して、地方銀行などに預金を移動しよう!

口座に少額だけ残された方が、金融機関は維持管理費等で苦しくなるのだ。

■まずは省エネと節電、そして自然エネルギーへ、というステップが重要

●需要を減らす方が簡単で、コストもかからない

電気消費の78%を占める事業者が、省エネ・節電すれば39%まで下げられる。
すると20.1%を占める(30%となっているが)発電所全体で1機も要らないくなり、原発は「必要悪」から、単なる「悪」となる。


●できること、アイデアは様々

エアコンを30分に5分送風にする回路の導入。
この程度では、温度変化に誰も気付かないそうである。

ペレットストーブ、薪ストーブを使う。
森林は伐採期にあり、これを使えば石油の輸入は全く不要となる。
戦前は木材の3/4がエネルギー材であったが、現在ではエネルギー材はゼロとなり
結果として日本の森は荒れ果てた。

古い冷蔵庫を省エネ製品に買い替える。
田中氏は冷蔵庫の買い替えに、無利子で10万円/5年の融資をした。

省エネ製品の電気料金は、1995年と比較すると全て半分以下になっており

1年で電気代は約27000円安くなるので、5年で返済終了となる。
以降は毎年7000円の得となり、しかも冷蔵庫は平均12.7年使えるので、

残り7.7年で更に20万円の得になる(27000円×7.7年)。

木製の窓に替えて断熱する。

オフィスでも簡単に実践でき、成果を上げている。

■民間や研究機関の開発は常に進歩している

●風レンズ風車

株式会社ウィンドレンズホームページより>
九州大学で開発された画期的な風力発電機、「風レンズ風車」。特殊な風レンズ効果に より従来の風力発電でのさまざまな問題点を克服し、これまで風力発電には不向きだと考えられていた地域や場所に容易に設置できるようになりました。その研 究内容は日本国内はもとより海外でも注目され多くの設置実績を上げております。㈱ウィンドレンズはこの「風レンズ風車」を製品化・販売するために設立され た産学連携企業です。九州大学TLO及び九州大学知的財産本部から風レンズ風車に関する特許の専用実施権を許諾されています。

株式会社ウィンドレンズ
株式会社ウィンドレンズ

●バイナリー発電(温泉発電)

日本中の温泉に繋げば、日本の電気の60%を作り出せるという。

神戸製鋼グループホームページより>
有望市場の一つとしたのは、バイナリー発電による小規模の温泉・地熱発電でした。特に、これまで電気事業法などの法律上の規制や導入コストの問題で普及が 進んでいない500kW未満の小規模、温泉域の地熱発電をターゲットにしました。大規模な地熱発電はすでに全国に20カ所近くあるのですが、熱源が 100℃前後と低く、供給量も小規模あるいは不安定という条件に対応できる発電システムなら、多くの温泉で採算ベースでの導入が可能です。また、同様の課 題を抱える太陽熱やバイオマス熱などの再生可能エネルギーや、工場の温排水にも応用することができます。

神戸製鋼グループ
神戸製鋼グループ

●地域・国内でできる自給と活性化〜スマートグリット

世界最大の投資と言われるスマートグリット(賢い送電網)の分野で

一番優れているのは日本である。
オバマ氏が、アメリカ経済復活のためにスマートグリットを推進したにも関わらず「買っているのは日本製品ばかりではないか」と怒ったという。

世界最高の競争力を日本は持てるのに、何故やらないのだろう?

 

エネルギー潰しの逸話は絶えないが

そろそろ政府も原発マフィアも、勇気を持って、労力を国益のために使って欲しい。

●太陽光発電 19円/kWhの衝撃

日経ビジネス2012年1月4日の記事によると
太陽光発電ではこれまで、電力会社の電気料金同等(グリッド・パリティ)の24円を目指してきたが、これより30%も安い19円/kWhという驚異的な安さが実現されたという。

 

<引用開始>

「太陽光発電は高コスト」との認識は急速に過去のものとなりつつある。需要者目線に立った新しい太陽光発電ビジネスの台頭で設置コストが急激に下がっているからだ。
 この傾向が定着すれば補助金は不要になる。2012年7月には再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度(FIT)がスタートするが、将来的には買い取り価格の高値維持は必要なくなる。

(中略)
 発電コストが高くなる一因は、これまで太陽光発電のビジネス形態がパネルメーカー主導の閉鎖的なシステムで、販売方法などが非効率であったことだ。コスト問題を乗り越えるには、需要側の利益を最大化する新しいビジネスモデルを構築する必要がある。
(中略)
 最近、フジワラ(千葉県船橋市)とエイタイジャパン(千葉県鎌ケ谷市)の共同による千葉県の販売事業者グループが29万円/kW(4kWタイプ)という家庭用太陽光システムを発売した。これは私が知る限りの最安値だ。発電コストに換算すると実に19円/kWhという驚異的な安さになる。

<引用終わり>

 

省エネ製品と並行して太陽光発電を導入すれば、8畳間のスペースで足りる。

これが勿体なくて、命がけで原子力に頼るなど、全くおかしな話である。

■2通りの未来へ〜私たちは、どちらを選択をするか

日本の自給率は、エネルギーが6%と最も低い。
石油、天然ガス、ウラン、石炭など、94%を輸入に頼り
年間23.1兆円もの巨費を外国に投じている。
ついに2011年には31年ぶりに貿易赤字に陥り
IMFは「日本はもはや持続可能ではない。没落していくだろう。」と発表した。

私たちの前には今、2通りの未来がある。


1つは、再び原発事故が起き、子どもが生まれない世界。
2つ目は、自然エネルギーに切り替えることで各地域には雇用が生まれ
原発も地球温暖化もなく、石油を奪い合う戦争もない平和な時代。


田中氏は最後に以下の言葉で締めくくった。

「大切なのは、まず可能性を知ること。
そして自分なりに調べ、どの選択をするか、どの一躍を担うか、考えて欲しい。」

 

(了)

「トゥモロー・ ワールド」子供が誕生しなくなった2027年の近未来
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Report:いのちにやさしいエネルギーが日本を救う!Part2へつづく

 

【第二部】パネルディスカッション
●田中優氏
●吉原毅理事長/城南信用金庫
●マエキタミヤコ氏/サステナ
●村上敬亮氏/経産省 新エネルギー対策課長

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